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 第1回里親サロン
  「ライフストーリーワークについて」

 平成20年度・第1回里親サロンが総会に引き続き開催され、「ライフストーリーワークについて」と題して、家庭養護促進協会神戸事務所主任ケースワーカーの米澤普子先生に講演をいただきました。

 アメリカやイギリスで里親制度や養子制度についての研修、調査に基づき、平成6年には、里親、養子、施設などの児童福祉の保護のもとにある子どもの生い立ちの記録、「ライフストーリーブック」作りが提唱され、日本に紹介されました。
 「ライフストーリーブック」とは、絵や言葉、写真や手紙、出来事で作る子どもの生い立ちの記録で信頼できる大人に手伝ってもらい、子ども自身が作っていくものです。
 「ライフストーリーブック」を作ることを含め、子ども達が幼い頃のことを理解する手助けをする、その作業に関わることをライフストーリーワークといいます。

○なぜライフストーリーワークが必要か

 子ども時代を生みの親と一緒に過ごしてきた子ども達は、自分の過去を色々な方法で手に入れることができます。しかし、親から離れて暮らす子ども達はそういうわけにはいかず、その子どもたちの過去はしばしば失われたたり、忘れ去られたりします。ライフストーリーワークを通し、子どもたちが幼い頃のことを理解する手助けをすることが、子ども達が現在や未来を前向きに受け入れ、生きていく上で最良の方法であるということが理解されてきました。

 米沢先生は実際に自身が関わった子ども達の例をあげて、自分の生い立ちや両親のことを聞いたり、調べたりすることによって、今の自分を受け入れ、また、前向きに歩めるようになった事例等を話してくださいました。

 実際には子ども達に伝えるには厳しすぎる現実もあります。嘘の情報をつたえることなく、出来るだけ肯定的な面を強調することなど、ライフストーリーワークに取り組む際に必要な点もお教えいただきました。            
                      (里親T)